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台湾・国家音楽廳公演 篠笛組曲『光の道』with寶吉祥管弦楽団を終えて

  • 音楽

あまりにも多くの出来事と感謝と感動が大渋滞で、何から書けば良いのかわからない状態ですが、、、

先ずは、この壮大なプロジェクトが大成功で終えることができたことを、御報告します。

品格が認められた音楽のみしか舞台に立つことが許されないという、荘厳な威厳を讃える国家音楽廳。

二千以上の客席は満席。

会場はこの上ないほどの美しい残響で、マイクを使わずとも十分に笛の音は響き渡るほど。
(とはいえ、オーケストラと演奏する際には流石に音負けするので、マイクを使用。)

始まりは、交響楽団によるメンデルスゾーン『フィンガルの洞窟』の

序曲で、スコットランドの自然景観が描かれながら開幕。

 

続いて台湾語と日本語による『光の道』の紹介が入り、いよいよ出番となりました。

 

静寂の中、鐘と弦が繊細に弾け、オーボエが柔らかく空気を創りだし、再び訪れる静寂とともに、袖から笛の独奏で『オベールの祈り』を奏で始めました。闇の中で光を求めて祈るような想いを込めた音とともに、舞台中央まで歩みました。
やがてオーボエと笛の二重奏で、自らの魂の救済を求める切実な祈りとなり、まるでその祈りに応えるかのように、優美な管弦楽団の音が湧き出でて、進むべき道が示されていきました。

 

続く『古道』の場面では、道が醸す荘厳さが表現され、その道を歩むのに必要な覚悟を問われるような厳格さが問いかけられ、『花筏』では、歩み始めた真理への道にて、自分の心が問われ、迷い、思い悩みながらも歩みを進める修行の心境を。『誓いの空』では、修行の苦悩を越えて真理へと到達し、雲が晴れ渡っていくように自分の使命を悟る様子が。
しかし、いざその道を歩み始めると、今度は現実の厳しさに苦悩するようになり、葛藤の日々が待ち受ける。それでも歩みを続けるうちに、少しずつ人を救うことができるようになっていく様子を、『瑠璃色ノ光』が描き出す。

 

やがて僧は臨終を迎え、身は滅び、魂は明光に昇華してゆく。そんなイメージを思い描きながら、最後の一音を吹き終え、笛を掲げて一礼をした時、溢れんばかりの盛大な拍手が会場を満たし、降り注ぎました。

この曲に込めた大切な“想い”が確かに伝わったことを確信した瞬間でした。

この瞬間のため、言葉の壁を越えて意見をぶつけ合い、初めてのオーケストラ呼吸に戸惑いながらも練習を重ね、菜食主義に徹し心身を清めてきたことが全て報われ、待ち受けていた想像よりも遥かに大きな感動に、魂の震えを噛み締めながら、袖へはけました。

 

 

鳴り止まぬ拍手に、指揮者の柯先生に手を引かれ、編曲してくれた蔡先生とともに舞台へ戻り、拍手に応えて礼をし、袖へ。

それでも拍手が鳴り止まず、光栄にもアンコールの機会に恵まれました。

 

マイクを外して、一人舞台に戻ると、更に拍手が膨れ上がりました。
感謝を込めて一礼すると、会場は鎮まりました。

 

万感の想いを込めて、マイクなしの純粋なる篠笛の独奏、私の原点である『唐津囃子変奏曲』を、特別バージョンにて演奏させていただきました。笛の音も、足踏みも、マイクなしで十分に響き渡り、再度、震えるような大喝采をいただきました。

 

舞台袖に戻ると、編曲家の蔡先生、林団長、柯先生と抱き合って喜びを分かち合い、戻ってくる団員の皆様からも、祝福の言葉をいただきました。私も、心から溢れてくる皆様への感謝を、精一杯伝え続けました。

 

 

このプロジェクトの始まりは、昨年五月に台湾の大人物リンジェンドルジェ・リンポチェ(台湾の企業グループ寶吉祥の会長であり、チベット仏教直貢噶舉教派の歴史において、転生ではなくこの世一世で実修し証果された唯一漢民族出身の在家リンポチェとして認められた人物)との出会いから始まりました。

 

日本を訪れたリンポチェが私の主催する嵐山でのアクティビティ【笛の音響く舟遊び】を体験されたことをきっかけに、彼が抱える管弦楽団との共演という流れが生まれたのです。

 

この機会を与えてくださったリンポチェをはじめ、お力添えくださった蔡先生、林団長、指揮の柯先生、楽団員の皆様、通訳とアテンド周さん&顔さんと、寶吉祥の皆様。そして、会場に集ってくださった皆様、日本から遥々応援に駆けつけてくださったファンの皆様、日本から成功を祈ってくださった皆様に、心より感謝申し上げます。

 

これからも、篠笛とともに、自分なりの“光の道”を歩み続けてまいります。

ありがとうございました!!!!

篠笛奏者 佐藤和哉

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